宮部みゆき 「今夜は眠れない」(中公文庫)

2005年11月26日土曜日

宮部みゆき

t f B! P L

 東京の下町に住む僕(緒方雅男)のところに突然、弁護士がやってきて、伝説の相場師が僕のかあさんに5億円の遺産を残して死んだことを告げることから始まる、ちょっとコミカルなストーリー。


どうも母親は若い頃に、その相場師の命を救ったことがあり、そのお礼らしいのだが、相続が表にでると、近所や同級生の態度がかわり、見ず知らずの人からの嫌がらせの嵐。おまけに、その相場師とかあさんができていたんじゃやないかと邪推して、とうさんは家を出てしまう始末(父親は結構浮気っぽくて、そのときに女がいるのだから、仮に邪推が本当でもどっちもどっちなのだが)


壊れてしまいそうな家族を守るため、僕は、親友の島崎(とんでもなく将棋が強いらしい。これは、今回の話では何の伏線でもありません)と、相場師が母親に遺産を残した真相をさぐるため、調査にのりだす。


二人は、両親の若い頃からの足取りをたどり、関東地方のあちこちを調べるが、有力なてがかりはでてこない。そのうち、嫌がらせの電話に閉口して一旦転居することにするが、偽装誘拐時間に巻き込まれ・・・、といった話。


殺人事件はおきるわけではないので、そうした謎解きを期待して読むとあてがはずれる。


途中ででてくる、タレントと大金持ちの娘の宝石(ポセイドンの恩寵)の争奪戦が意外な伏線。


僕と島崎のやりとりや、父親の浮気相手が実は金目当てだったり、別荘では、ちょっとしたカワイイ子を見つけてときめいてしまったり、筋とは関係ないところでも小味がきいていいて楽しめる。


結局は、死んだ相場師が、企んでいた死後の謀略の一つの駒に、この家族がつかわれていたってことだけ(筆者は、ビリヤードのクッションという絶妙な表現をしてますな)か?


と思ってると、最後に、もう一ひねり。あっと巴投げをくらう。


年を経ると猫も化けるが、女も化ける、ということか。旦那さんの浮気に悩む奥さん、必読の書。もっとも、このトリック、誰でも使えるっていうほど簡単ではないが・・・


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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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